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研究組織
ロボットの定義は,「センサにより外部環境から情報を獲得し,情報処理回路によりその情報を判 断し,その結果に応じてモータを動かして環境に対して働きかけるもの」である.システムを環境か ら区別し,これらの要素を一体として関連付けるためのボディ(構造体)も必要である.「分子ロボッ ト」はこれらの構成要素がすべて分子レベルのデバイスで実現されたシステムである.そのため に,感覚,知能,運動,構造といった分子ロボットに必要な要素技術を開発するだけでなく,これら を連関,統合させる技術の開発が必要になる.もちろん,通常サイズのロボットとは異なり,部品の 組み立てはすべてボトムアップな自己集合・自己組織化により行われる必要があり,また動作のプ ログラムや制御はすべて化学反応系のプログラムと制御により実現しなければならない. 本学術領域では,4 つの計画研究と公募研究によって,分子ロボットを構築するための方法論の 確立を目指す.まず,計画研究においては,分子ロボットのための(A01)感覚および(B01)知能に 関する基盤技術を開発するとともに,2 つのモデル分子ロボット開発プロジェクト(C01)アメーバ型 分子ロボット,(D01)スライム型分子ロボットを実施する.また,公募研究においては,分子ロボット 開発プロジェクトのために必要となる要素技術の研究開発や,分子ロボティクスの応用展開のため の探索研究を行う. また,総括班は,つねに各班の研究進捗をみながら,整合性が取れる目標を設定・調整し,研究班間 の連携を促して分子ロボティクス学術領域の確立に努めるとともに,そのための人材育成を行う. また,周辺の学術分野へのフィードバックのため,関連研究者に向けたシンポジウムや,一般や高校生 向けなどのアウトリーチ活動にも力を入れる.
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