ニュースレター16号

ニュースレター第16号を発行いたしました。
巻頭言は、広島大学 片桐清文先生です。

katagirisensei(Hirodai)

今年度の8月より本領域を学術調査官として担当しております。学術調査官の業務内容等につきましては、前々任の重田調査官、前任の根岸調査官がそれぞれNews Letter(No.3、No.8)で紹介されていますので、そちらをご参照いただければ、と思います。小職は学術調査官には昨年度着任し、本領域の中間評価ヒアリングにも陪席いたしました。本領域は非常に野心的な目標を設定されており、当初の予想通りにはいかない部分もあるかと思いますが、達成されれば非常に大きなインパクトがあると思いますので、研究の発展を楽しみにしております。さて、今年度より各領域の担当調査官の運用の変更を行いましたので紹介させていただきます。従来は各領域1名の調査官が担当しておりましたが、これを着任年度の異なる2名で担当するようにいたしました。本領域では研究内容等も勘案し、化学が専門である小職と情報学が専門である石川佳治調査官(名古屋大学)で現在担当しております。これらの変更でよりきめ細やかなサポートを目指しておりますので、ぜひご活用いただければ、と思います。

次に、現在の科学研究費助成事業を取り巻く状況についてご紹介いたします。12月24日に平成28年度政府予算案が閣議決定されましたが、科研費の予算案は2,273億円となり、厳しい財政状況の中、前年度と同水準の予定額を確保できました。この予算案においては、科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会において議論された科研費改革の実施方針等も踏まえ、「新たな学問領域の創成に向けた探索」や「学際的研究、異分野連携による研究者の大胆なテーマ転換」が「期待される挑戦」としてあげられています。これらはまさに新学術領域研究において目指すべきところであり、本領域が目指している方向とも合致しているかと思います。また、今年度からは「国際共同研究の加速」が科研費における大きな課題として取り上げられています。採択年度の関係で本領域は対象となりませんでしたが、新学術領域研究には「国際活動支援班」の設置が新たに始まりました。新学術領域研究の審査や評価の着目点には「国際的なネットワークの構築」が従前より含まれておりますので、本領域におかれましても事後評価にむけて、さらに国際的活動の充実を意識して研究を推進していただければ、と思います。

本領域の研究期間もあと1年余りとなりましたが、素晴らしい成果が得られることを心より祈念しております。