Home 分子サイバネティクス・分子ロボティクス定例研究会 第14回分子サイバネティクス・第58回分子ロボティクス定例研究会

第15回分子サイバネティクス・第59回分子ロボティクス定例研究会

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2024年12月6日(金)に国立がん研究センター研究所にて開催予定の分子ロボティクス定例研究会に関しまして,下記の通りご案内申し上げます。

  • 主催: CBI学会 分子ロボティクス研究会
  • 協賛: 学術変革領域 (A) 分子サイバネティクス
  • 開催日:2024年12月6日(金)13:00~17:00
  • 開催場所:国立がん研究センター研究所・東京都中央区築地5-1-1
  • 世話人:笠井倫志(国立がん研究センター研究所)・田仲真紀子(電気通信大学)

参加登録

プログラム(案)

  • 13:45-13:50 研究会はじめのあいさつ
  • 13:50-14:35 招待講演1 金原 数 先生
  • 14:35-14:45 休憩
  • 14:45-15:30 招待講演2 森垣 憲一 先生
  • 15:30-15:50 写真撮影・休憩
  • 15:50-16:50 一般発表(10分発表、5分質疑を予定、4件まで)※一般発表は学生さんの発表も歓迎します
  • 17:30-19:30 情報交換会
  • 情報交換会費:銀座周辺(5000円程度)

招待講演

  • 金原 数 先生(東京科学大学)
    演題:交互両親媒性マルチブロック型分子による膜輸送機能の開拓
    要旨:膜貫通タンパク質の中で,刺激応答性をもつ分子の多くは,多回膜貫通構造という共通の構造モチーフを持っている。これは,ヘリックス型の高次構造を形成したペプチド鎖が集積化したもので,チャネルのような高次に制御された立体構造を構築するのに適している。この構造は,外部刺激によりその集合状態を変化させることが容易であるため,刺激応答性を付与するのに有利であると考えられる。このため,多回膜貫通型タンパク質をモデルとした人工分子として,親水部と疎水部を交互に複数回連結した両親媒性マルチブロック型分子を設計し,その機能の高度化を行ってきた。これらの人工分子の多くは,膜中でイオンチャネルを形成するだけでなく,モバイルキャリアーとしても働くことを見出している。このような交互両親媒性マルチブロック型分子の機能について紹介する。
  • 森垣 憲一 先生(神戸大学)
    演題:生体膜の2次元液体と微小空間を再現する集積化人工膜の開発
    要旨:生体膜は、脂質二分子膜と膜タンパク質から形成される超分子システムであり、シグナル伝達など生物に必要不可欠な機能をつかさどっている。生体膜の重要な特徴として流動性を持つ2次元の液体であること、膜により微小空間を形成できることがある。我々は脂質およびタンパク質分子の自己組織化と微細加工技術を用いることで、ガラス基板表面にポリマー脂質膜と生体脂質膜を特定パターンで集積化して生体膜の構造と機能を再現する人工膜を開発してきた。ポリマー脂質膜は組み込まれた生体脂質膜を安定化する一方、生体脂質膜は生体膜と同等の物性を持ち生体膜機能を再現することができる。近年、パターン化人工膜と高分子エラストマー(PDMS)を接着して厚さ100nm以下のナノ空間を形成する技術を開発した。人工膜は生体膜の構造と機能を再現するだけでなく、人工分子の機能発現の場としても大きなポテンシャルを持っている。