Home

第10回分子サイバネティクス・第54回分子ロボティクス定例研究会

印刷

2024年6月1日(土)に三重にて開催予定の分子ロボティクス定例研究会に関しまして,下記の通りご案内申し上げます。


研究会プログラム

  • 会場:三重大学 工学部12番教室
  • 14:35:開会挨拶
  • 14:40~15:20:招待講演1
  • 谷 茉莉 先生(京都大学大学院理学研究科)「身近な現象に隠された物理法則〜弾性体・液体・泡沫〜」

要旨:私たちが日常生活の中で目にしている物体の形や動き、現象は、時にシンプルで美しい物理法則に従う。液体や泡、ゴムといった柔らかい物体(ソフトマター)はそれ自体が大きく変形するために、多彩で複雑な振る舞いを見せることも多いが、これらの物体に対しても驚くべきシンプルな物理法則が発見されることがある。我々は様々な現象に対してシンプルな実験と理論モデルを構築することで、現象に潜む物理法則を発見してきた。得られた物理法則や物理的メカニズムの理解は、次のものづくりに活かせる可能性を有していると考える。本講演では、弾性体の「ひも」の巻き付き[1]や、泡沫からの液体ちぎれ[2]などの例に対して、そこに潜む物理法則をどのように見つけてきたのか、また、これらの現象の理解が他の研究分野や産業応用的に与える可能性について紹介する。このような研究アプローチが、様々なスケールや、様々な対象、様々な分野に与え得る可能性についても、参加者の方々と議論したい。 [1] M. Tani and H. Wada, Phys. Rev. Lett. 132, 058204 (2024) [2] M. Tani and R. Kurita, Soft Matter 18, 2137 (2022)

  • 15:20~16:00:招待講演2 
  • 鎌形 清人 先生(岐阜大学大学院工学研究科)「タンパク質液滴を測り、操り、創る」

要旨:タンパク質は、液―液相分離現象を利用し、集団として働きます。液-液相分離とは、分子が低い濃度で均一に溶けている液相と分子が密に集合した液相(液滴)に分かれる現象です。タンパク質が液滴に密集することで高効率な化学反応などが可能になりますが、同時に疾患の原因となる不溶性の凝集体を形成するリスクがあります。私たちは、(1)単分子蛍光顕微鏡によるタンパク質の液-液相分離現象の理解、(2)ペプチドバインダー技術による相分離現象の制御、(3)相分離するミニタンパク質の設計を目指しています。当日は、得られた成果を中心に紹介します。

  • 16:00~16:10:休憩
  • 16:10~17:10:一般講演(発表10分,質疑応答4分,交代1分)
  • 16:10~16:25:
  • 梶 結翔さん(早稲田大学先進理工学研究科)「自己誘導分子による転写制御を活用した分子ニューラルネットワークの構築」
  • 16:25~16:40:
  • 坂本 亜優さん(三重大学大学院工学研究科)「分子入力による角度調節機構を備えたヒンジ型DNAナノ構造の設計と構築」
  • 16:40~16:55:
  • 佐々木 望さん(京都大学大学院理学研究科)「DNA相互作用を導入した微小管の集団運動における非線形な物質輸送能発現機構の解明」
  • 16:55~17:10:
  • 山本 果凜さん(三重大学大学院工学研究科)「ギャップジャンクション型人工DNAチャネルの設計と構築」
  • 移 動
  • 18:00~:情報交換会 津駅前 (5000円程度)